« GERMAN PHYSIKSの2モデル | トップページ | トライオードTRV-A300 »

2006年9月 2日 (土)

お久し振りです。

Casals_1  サウンドハウス ミージック・カフェもいつのまにか3回が終わり、少ない人数ながらもご来店頂きましたダイナミックオーディオの会員の皆様には普段体験出来ないような音楽や再生機器によりますサウンドから何かのヒントや答えを見つけられた方も居るのではないでしょうか。
今回は2回に分けましてこの会の模様を簡単ではありますが皆様にお伝えできたらと思います。

第1回「クラシック音楽・SP時代の巨匠達」

パブロ・カザルスやジョルジユ・エネスコなどの1900年前半に活躍した演奏家の音楽を聴く事の意味は何だろうか、オーディオ的にはレンジは無いしノイズの大きく入っているなどのデメリットばかりなソフトであるのですが、その様なデメリット以上に隠された何かが彼らの音楽の中には潜んでいて、その隠されたものが今の音楽には無い、人を引き付ける力が強力にあり、その隠された素晴らしさをオーディオで引き出しそのサウンドを持って後世に伝える事に意味があると思っております。

硬い前置きとなりましたが、当日は3名のお客様と少ない人数ではありましたが私の行なう事に理解を示して頂ける方々だったので緊張も少なく会を始めることが出来ました。実際の演奏家と曲の関しては皆さん名前は知っていても実際には殆んどお聴きになった事が無い演奏家という事で当りが付けにくかったとは思いますが、カザルスやティボーのギリギリの激しさと知性がぶつかり合う演奏表現、クライスラーやリパッティの人間的なスケールの大きさなどがJBLのサブリンS7Rから不完全ながらもあふれる瞬間を聴く事が出来たと思っております。1948年、18才のイダ・ヘンデルがDECCAに録音したサンサーンス「ロンドカプリッィオーソ」のスケール感あふれる演奏表現と悪魔的な激情はとても18才の小女とは思えない完成度。また、最後にかけましたエネスコのヘンデルの「ヴァイオリンソナタNo4」は静寂感が支配する音の世界にある精神性がエネスコという演奏家の今の演奏家には希薄な孤高の演奏境地を感じ聴く度に目頭が熱くなります。

今回はこれらの曲目をJBLのサブリンS7Rで再生しました。このスピーカーは1965年製でもう40年という年月を生きてきた機器です。この機器で再生された音は空気という幕を切り裂くように生まれてくるサウンドで、厳しくも強い音で疲れを伴う音かもしれませんが危険な物に手を触れたくなる心境の音と言えば判って頂けるのではないかと。とにかく魅力的なサウンドでありました。しかしこれを使うと決めた時には、40年前の2WAYスピーカーはどうなのかなと半信半疑でありましたが、繋いで出てきた音は私の予想を大きく超えた現代のスピーカーに対するカウンターのような音でショックを受けたのでありました。そしてこのショックは今回かけた過去の演奏家の音楽や作曲者に対する私の思いと同じものだと確認させられたのです。

音楽とオーディオは録音や作られた時代を超えてこれからもお互いに関わっていくのですが、オーディオ機器はいつか壊れ交代の時がきます。しかし、記録された音楽は永遠に残り時代を越えた人々に聴き継がれます。今、生まれた人が40年後もしも音楽・オーディオを趣味としエネスコやカザルスをどのように感じ音を紡ぎ出しているのか聴いてみたい気もしますが、その時はもう私はこの世の人ではありません。

音はサウンドは、人々の心の記憶の中にしか存在しないのです。

   アメリカンサウンドフロアー 5F  担当 厚木 03-3253-2001

|

« GERMAN PHYSIKSの2モデル | トップページ | トライオードTRV-A300 »