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2009年8月30日 (日)

U-BROS31について

Ubros31_900  最近になって再びアナログ・ディスクの良さが見直されているようですので、U・BROS-31にはフォノ・イコライザーを内臓させる事を前提として設計いたしました。私は、トーン・コントローラーを強く支持する者です。真空管式/トランジスタ式を問わず、市販されている高級プリアンプにトーン・コントローラーを設けたモデルは、非常に少なくなってしまいました。真空管式ではトーン・コントローラー付の本格的なプリアンプは皆無と言ってよいでしょう。U・BROS-31では、私の主義主張を強く打ち出し本格的なトーン・コントローラーを設けるようにしました。

<トーン・コントローラーの必要性について>
人間の耳は音量の大小によって感度が変わる━人間の耳は、音量を小さくして行くにしたがって、低音と高音の感度が低下して行く、という性格を持っています。したがって、小音量時においても、低音の量感を豊かに、高音の繊細感を充分に、再生してやるには、その人間の耳の感度の低下分を、
あらかじめ増大させて補正しておく必要性があります。だから、フラットな周波数特性だけでは不完全なのです。生演奏に準ずる大音量で音楽を楽しめるケースは、現実としては大変少ないので、トーン・コントローラーで、低音/高音を補正してやる必要があるのです。

プログラム・ソースはレコーディング・エンジニアの音造りされている―CD、SACD、DVD-A、アナログ・ディスクなどを問わず、プログラム・ソースはレコーディング・エンジニアの感覚で音造りがされているのは常識です。したがって、“このプログラム・ソースは低音が出すぎてボケ気味である”とか、“あのプログラム・ソースは高音が出すぎて細身の音に感じる”といった不満に出くわすことが多くあります。厳密に言えば、すべてのプログラム・ソースに、大なり小なり、こういった不満があって当然です。この不満を少しでも解消してやるには、トーン・コントローラーが必要になるのです。

完璧なリスニング・ルームは存在しない─現実のリスニング・ルームを、特性的にチェックしてみますと、必ずクセを持っている事がわかります。このクセを少しでも補正してやるには、
トーン・コントローラーが完璧といえないまでも、有効です。また、左右のスピーカー・システムを、同じ条件でリスニング・ルームにセッティングできる例は少ない、といってよいでしょう。左スピーカー・システムの左側面が壁、右スピーカー・システムの右側が板張り、といった状態ですと、左右のスピーカー・システムの特性が揃っていたとしても、その再生音は大幅に変わってしまいます。したがって、こういった左右のスピーカー・システムの音質補正にも、トーン・コントローラーは有効に働いてくれます。

大編成ソース/小編成ソース、大ホール/小ホール、といった違いにより、聴感上好ましい周波数特性は異なる―大編成ソースを少ホールで演奏し、特等席で楽しんでいる雰囲気を得るには、低音を少し上げ、反対に高音をごくわずか下げてやることによって、より好ましい状態に近づきます。小さなジャズ・クラブではピアノ・トリオを楽しむ、といった雰囲気を得るには、低音はフラットで、高音を少し上げてやる、といった状態が好ましいといってよいでしょう。こういった例からもおわかりのように、プログラム・ソースの内容にふさわしい周波数特性、が存在するのです。信号通過系の複雑化は、音の鮮度の老化に結びつく、と考える近視眼的に物を見るオーディオ・エンジニアが主流となって、オーディオ機器が開発されているからです。いくらオーディオの技術が進歩したとしても、オーディオ・システムから生の音が得られる事はありません。それならば、少しでもより好みの音に近づけて音楽を楽しみたい、と私は考えています。

音の職人:林泰夫:hayashi@dynamicaudio.co.jp

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