音の証人
営業時間後仕事をしながらよく音楽をかけています。音楽はJAZZ・CLASSICがメインなのですが、たまにはPOP'sなどの私が青春時代だった頃の音楽などもひっそりと楽しむ時も。
少し前の事、いつものように5Fで仕事をしていると店の若手SA君とSI君の2人が此処を尋ねて来たのでした。2人とも音楽がとてつもなく好きで、よく音楽の話で盛り上がり遅くまで話す事もある位、音楽に熱い思いがあります。そんな熱い2人が尋ねて来たときに答える為に、私の持っている熱い音楽で迎えてあげるのですが、この時の音量が熱い音楽に負けないような大きさなのです。
この日の機器はマッキンC46・MC402、LP12・SPU-SYNEGY・LINTO、JBL4348のラインナップ。
そして、音楽はQUINCY JONES "The Dude"から Ai No Corrida、PHIL WOODS "MUSIQUE DUBOIS" からAIREGINそしてラストJOHNCOLTRANE"SELFLESSNESS"から MY FAVORITE THINGS を彼ら2人に大音量でプレゼント。
特にラストのコルトレーンの曲はLP片面で17分31秒、ロングプレイの曲だ。レコードにオルトフォン・SPU-SYNEGYをグサットと下ろし、マッキンのボリュームを 80 にSETする。コルトレーンのソプラノサックスが空気を切り裂くように豪放すると体が耳が緊張感で締まります。音と音楽の洪水の中、時間が感覚が間違いなく鈍って行く、時々耳の中に強制的に入ってくる奔放な音で我に気付くと自然に体が くの字 になっているのが判る。この音量、想像出来ますか。
コルトレーンが3回目のテーマを演奏した時、急に静寂の世界が現れた!!。私は、2人がポカーンとしている横を通りマッキンMC402に向かい放熱器に触ると 「熱」 と言葉が、この静寂はマッキンが自分の命を守る為に自発的に演奏活動を止めたものでありました。
J・コルトレーン、R・へインズ、J・ギャリソン、M・タイナーの4人が限界ギリギリで演奏している。そしてそこにいるオーディオも人間も限界ギリギリな状況で音楽の中にいる。若手2人にこんな大変な苦しい様な形で音楽を聴いてほしかった。これが仕事の役に立つか立たないかは判りません。極端ではありますが、これも音楽とオーディオの表現方法の一つであります。でもこんな事教えてくれる人も珍しくなりましたなー。
世の中が大きく変化するように、音楽とオーディオの関係も大きく変化しているのかもしれません。コルトレーンのマイフェバットスィングスはJAZZ表現の究極の一つです。でも20年30年後にどの様な聴かれ方をしているのだろうか。
この2人には今日の出来事の証人になってほしい。
アメリカンサウンドフロアー 担当 厚木 atsugi@dynamicaudio.co.jp
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